弊社の業務の内大きい割合を占めるものの一つに建築鉄骨の受け入れ検査があります。
これはある建築物を新築するにあたって製造時の溶接部に有害な欠陥がないことを確認するためのものです。つまり検査するものはこれから新しく建つ建物という訳です。
それが近年なり既に建っている建物の溶接部を検査してほしいという依頼・お引き合いが主に設計事務所様からちょこちょこ出てくるようになりました。その目的としては既設の建築物を耐震補強するにあたって現状どのような溶接になっているかを確認したいということです。
先日も三国のある大きいプラント内にある建屋(築25年)を耐震補強するにあたって溶接部を確認のため検査してほしいという依頼を受けました。
事前打ち合わせで新築時の検査報告書が残っているかを確認していただいたところ、そのプラントは管理が非常にしっかりしているところでしたので25年前の検査報告書がでできましたが、なんとそれは弊社の検査報告書でした。
中を開くと検査員の顔写真入りの資格証が添付されているページにものすごく若い弊社の社長の顔が写っています。
当時の事を聞くと文字はタイプライター、図表・図面はドラフターで手書きして、のりとはさみで切り貼りして報告書を作成していたとのことです。同じカットアンドペーストでも今のものとは全く違います。
こういう依頼が増えてきたというのは、時代の流れとしてスクラップアンドビルドからいわゆるサステイナブルな社会へ世の中の意識が変化してきたことの一つの現れなのだと思います。
同時に今毎日自分たち提出している報告書もひょっとしたら何年か先にまた参照されることがあるのかもしれないと考えると、日々忙しい中であってもやはり高い緊張感を持って望まなければと改めて思った次第です。
(森専務)